夜の街を歩いてみた。



道を歩いていると、目の端に何かが映った。
よく見てみると道から少し入った所に、猫がいた。

摩天楼を見上げる街の片隅で、
ひっそりとたたずんでいる三毛猫だった。

遠くに見える窓の灯りのひとつひとつには、
暖かな場所が待っていることだろう。
だが、そんな事は関係ないとでも言うように、
三毛猫の強い眼差しは物語っていた。
そこには、野良猫として生きる彼女の
威厳のようなものが存在していた。


私は、彼女を驚かせないように、そっと近づき、
何枚かの写真を撮らせてもらい、その場所を後にした。
秋から冬に変わろうとしていた寒い夜の出来事だった。
 
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